ミュージカル「パレード」を観てきた話


パレード、観てきました。

うまく言えないけど、ファンタジーじゃなく、実際の事件(レオ・フランク事件 - Wikipedia)を描いているので、幸せ!良かった!と手放しではもちろん言えない、いろんな気持ちが混ざりあってぶつかって、重たいミュージカルでした。

物語の舞台は、1913年アメリカ南部の中心、ジョージア州アトランタ南北戦争終結から半世紀が過ぎても、南軍戦没者追悼記念日には、南軍の生き残りの老兵が誇り高い表情でパレードに参加し、南部の自由のために戦った男たちの誇りと南部の優位を歌いあげる。

そんな土地で13歳の白人少女の強姦殺人事件が起こる。容疑者として逮捕されたひとりは北部から来たレオ・フランク。実直なユダヤ人で少女が働いていた鉛筆工場の工場長だった。北部出身の彼は南部の風習にどうにも馴染めずにいた。もうひとりの容疑者は鉛筆工場の夜間警備員、黒人のニュート・リー。事件の早期解決を図りたい州検事ヒュー・ドーシーは、レオを犯人へと仕立てあげていく。新聞記者のクレイグはこの特ダネをものにする。無実の罪で起訴されるフランク。そんなフランクを支えたのはジョージア出身の妻ルシール、同じユダヤ人だった。「レオは正直な人だ」と訴えるルシール。裁判が始まり、ユダヤ人を眼の敵にしている活動家のワトソンに煽られ南部の群衆はレオへの憎しみがつのっていく。黒人の鉛筆工場の清掃人ジム・コンリーの偽の証言もあり、レオの訴えもむなしく、陪審員は次々と「有罪!」と声をあげ、判事は「有罪」の判決を下す。

あのパレードの日から一年、夫の帰りを家でただ待っているだけの無垢な女だったルシールは変わっていた。レオの潔白を証明するために夫を有罪に追い込んだ証言を覆すため、アトランタ州現知事のスレイトン邸のパーティーを訪ね、知事に裁判のやり直しを頼む。彼女の熱意が知事の心を動かす。その結果、レオの無実が次々と明らかになっていく。二人の間の絆は、レオの逮捕により強く固く深まっていた。あらためて愛を確かめあう二人。だが、間もなく釈放されるというある日、レオは留置場から南軍の生き残り兵、メアリーの親友フランキーらによって連れ出される。

白人、黒人、ユダヤ人、知事、検察、マスコミ、群衆・・・・それぞれの立場と思惑が交差する中、人種間の妬みと憎しみが事態を思わぬ方向へと導いていく。

そして、また、パレードの日がめぐってくる。「ジョージアの誇りのために!アトランタの町の、故郷のあの赤い丘のために」

 (公式より)

 

※ちゃんと時系列になってないし、思ったことそのまま書いてるのでお見苦しい点はご容赦ください。ネタバレあり。

 

 

次々と出てくる嘘の証言。どこの誰が言ったのか、そもそも本当に関係者なのか。信憑性もないのに、新聞記事にして、多くの人が見られるように世の中に流せば、真実は関係なくだいたいみんな信じてしまう。今も昔も同じだなとつくづく思いました。今回は俯瞰的な視点で眺めていたから、そんなの嘘だ!と思えたけど、実際の渦中にいたら信じてしまうかも。今に当てはめてみても、自分に起きたことじゃなければ、真実なんて突き詰めなくて、ただ周りとの会話の中で話題になって、それだけ。誰かが言ったことを、そうなんだ~って受け止めて、それがだんだん広がってく。今回、それをミュージカルでまざまざと見せつけられて、ちょっと恐ろしかった。

途中の裁判のシーンはとても長く感じてつらかった。子どもたちもそれぞれそれがメアリーのためだと思って(思わされて)、レオは変態だという証言を続けるんだけど、一方的にレオを責めるのが真犯人を知ってる私は腹が立って、なんでだれも本当のこと言わないんだろうと思った。メアリーのための戦いだと、これがメアリーのためになると思わされている子どもたちも観ていて切ない。子どもたちのうち、フランキーはなにかを犯人にしてないとメアリーを亡くした気持ちのやりようがなくて、フランクが犯人だと思い込むことでやっと生きていられたのかも。この子たちは大人になったとき、何を感じるんだろう。堂々巡りで、ずっとぐるぐるしてた。禅さん演じる検事が本当に憎たらしかった!

黒人とユダヤ人のバックボーンをちゃんと勉強していかなかったので、なんでフランクをそんなに犯人にしたいのかいまいち納得できずにさらにもやっとしながら、サカケンさんめ~~!!とハンカチをギリギリしてました。

牢の中のフランクと、それを支える奥さんのルシール。それまでは不仲とも言えたのに、ここにきてお互いの距離が縮まるんですよね。誰も味方がいない中、折れそうなフランクを、ルシールが絶対希望を捨てるなと励まし続ける。周りが嘘ばかり書いて、それに流されてしまってもおかしくないのに、「私の知っているレオは違うわ」と信じ続けられる芯の強さが本当に美しかった。二人で牢獄でピクニックをするシーンは、幸せで、だからこそとても切なかった。このまま終わればいいのに。そう祈りながら観てたけど、そうはいかなかったんですよね…。

 

お話以外について

舞台演出も私は好き。冒頭のパレードで老兵たちを祝福する紙吹雪が物語が進む度に違うものに見えてくる。記者会見シーンの照明も、バシバシフラッシュたかれるところが興奮した会場や状況を表しているみたいだった。機会があれば二階から見て丘を感じたかったな。

音楽はこれよく歌えるな?!って印象。伴奏が全然メロディをサポートする気ない(笑)キャストがみなさん歌える人なので成立している音楽。これが「あれ?」って思うような人だと、音程が迷子になってるんじゃない?つて不安になって集中できなさそう…。歌唱動画は贔屓がたくさん歌ってるので観てください。


ミュージカル『パレード』製作発表歌唱動画